どうもフロッキーです。
今回は「トリガーの「アニメを仕事に!」」という本を紹介します。冒頭で簡潔に概要を述べられているので引用します。
本書は作品が弾丸だとしたら、それを打つ出す引き金でありたいという思いの込められた社名をもつTRIGGERを例に、アニメ制作の現場を疑似体験できる一冊である。
「アニメ制作進行」という仕事をご存じでしょうか。
アニメ自体は好きな人が多くても,具体的な仕事内容までは分からないですよね。でもこの本にはかなり具体的に、かつ話し言葉で書かれているので非常に分かりやすいです。
制作進行というのは唯一アニメ制作の全工程に携わっている仕事だそうです。
それが監督や演出との決定的な違いだそうです。自分の好きなアニメを端から端まで関われるのは魅力的な仕事ですね。
その制作進行の目線からキルラキルやリトルウィッチアカデミアでおなじみの制作会社トリガーの舛本氏がアニメができるまでを読み解こうというのが本書です。
それでは見ていきましょう。
本書の目次
第一章 熱意だけではだめ!狭き門をくぐるには
第二章 アニメ制作の番人 制作進行の仕事
第三章 地獄の新人研修
第四章 実践!制作進行
第五章 アニメ業界を目指す人へ
制作進行の仕事内容って何するの?
制作進行の(表面的な)実務は大きく分けると3つ。
- 作品素材の管理
- スケジュールの管理
- 作業環境の管理
今回はこの中の①作品素材の管理を紹介したいと思います。
作品素材の管理のことを本書では
簡単に言うと「いまどこにあるか把握して、なくさない」ことです。結構簡単に思えますね。ところがどっこい、物量がどれほどあるかといいますと、30分のTVアニメーションで、
絵コンテ 一冊(80~100ページ)✖30冊(スタッフ配布分)
レイアウト✖300カット
原画✖300カット
動画✖4000~6000枚
背景✖300カット(データ)
仕上げ✖4200~6200枚(データ)
撮影✖300カット(データ)
チェック用DVD✖4~10枚
伝票✖50枚
関係書類✖50枚
カット袋✖300枚
しかもこれでアニメ一話分です!
ものすごい分量を管理しなければいけないんですね。僕らはアニメをボーと見るだけですが,すごい手間暇がかかった芸術作品ですね。
アニメ制作進行ってなぜ離職率が高いの?
一年以内の離職率は9割とも言われている制作進行という仕事だそうです。
何がそうさせているのか,著者は
昔は現場で怒られて一人前になっていくのが普通でしたが、絵コンテ以降はある種単純なルーチンワークとしてできた時代だからだと思います。(中略、しかし)担当原画マンが多くなり、外回りの時間が増えた現代では、1日当たりの実働時間もずっと長くなりました。
つまり「自分の頭でで整理熟考することが増え、作業時間も増えた」のが現代の制作進行なのです。現場にすぐ投入され、「オーバーワークによる精神のオーバーフロー」を起こしてしまう新人が多いのも仕方のない部分があると思います。
それに制作進行は原画マンなどと違い、下積みの期間がなしでいきなり重要な仕事を任せられてしまい環境があるそうです。
まあ確かに,いきなりアニメ制作の現場すべてに関われるのは魅力ですが,ぶっつけ本番はきついですね。
普通免許と体力さえあれば出来る仕事と言われている制作進行ですが、続けるのは大変な職業ですね。
YouTubeに動画あり
そして本書の優れている点としては、動画もあります。QRコードで読み取れば、コードがある工程に関しては動画で理解を深めることができます。以下がその動画です。↓
www.youtube.comまとめ
本書は、アニメ業界に就職したいと思っている方はもちろん、どのようにアニメが作られているのかに興味がある方におすすめします。制作進行に興味がある人は必須!